【93歳のお婆さん】新国立競技場のせいでたった17万円握らされて立ち退きを命じられる。

わずか17万円。新国立建設で強制退去の都営団地の住民へ都の冷たい対応 

「東京五輪なんて楽しみでもなんでもありません。むしろ迷惑でしかない。 

私は絶対に観戦しません」 

「霞ヶ丘アパート」の元住民・柴崎俊子さん(93)は、苦々しげにそう呟いた。 

総工費1569億円をかけた東京オリンピックのメインスタジアム「新国立競技場」がついに完成した。 

12月15日には竣工式が開かれ、安倍晋三首相や小池百合子都知事らが出席。華々しくオープンを祝った。 

だが、完成を喜ぶ政治家や五輪組織委員会のお歴々の陰に、新国立をまったく快く思っていない人々がいる。 

建設の〝犠牲〟となった都営団地「霞ヶ丘アパート」の元住民たちだ。 

「’60年代に造成された霞ヶ丘アパートは、新国立の建設予定地に隣接していたため取り壊すこととなり、 

居住者は東京都から立ち退きを命じられました。 

アパートには約200世帯が暮らしていた。’14年に通告がなされ、’16年中に解体工事が行われました」 

(全国紙都庁担当記者) 

霞ヶ丘住民の多くは、都が用意した近隣にある別の都営団地へと転居した。 

強制退去にともなう都の対応は、あまりにも杜撰(ずさん)だったという。 

元住民の菊池浩司さん(87)が怒る。 

「私は32年間、霞ヶ丘に住んでいました。建設現場の事故で片腕を失くしたもので、家にはいろいろとバリアフリーを施していた。 

でも、転居の際に都に渡されたのは、引っ越し費用の17万円だけ。 

都の担当者には『私は障碍があるので新居にもバリアフリーを』と何度も頼みましたが、『では勝手に民間で借りてください』と 

表情も変えずに言われました」 

それでも、多くの住民が持ち出しで引っ越し費用を賄い、何とか転居を終えた。 

しかし、住み慣れた家を追い出されて始まった新生活は、想像以上に辛かった。 

前出の柴崎さんが言う。 

「霞ヶ丘の住民はほとんど高齢者の一人暮らしでしたが、餅つき大会や節分、 

盆踊り、忘年会と、年中行事があってみんな仲良く暮らしていた。 

しかし、都によってバラバラに転居させられたため、いまはまったく人とのつながりがありません。 

強制退去後、都の職員が様子を見に来たことは一度もない。 

戻れるものなら、いますぐ霞ヶ丘に戻りたい。 

これでは、孤独死しろと言っているようなものですよ」 

霞ヶ丘アパートの跡地には公園が作られる予定だ。 

無理やり家を追い出された高齢者たちは、転居先から巨大な新国立を眺めながら孤独な日々を過ごしている。 

本誌は10人の元住民に取材をしたが、「東京五輪が待ち遠しい」と答えた人は、一人もいなかった。 

12月21日には新国立競技場のオープニングイベントがあったが、 

霞ヶ丘アパートの元住民は招待されていない 

0
0
おすすめ