魔王「なに?!勇者がまだハジマリの村にいるだと?!」

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側近「はい。報告によるとそのようです」  

魔王「何故だ?!何故、勇者はまだそのような場所にいる?!」  

側近「魔王様、落ち着いて下さい」  

魔王「落ち着いていられるか!10年だぞ!」  

魔王「勇者が旅に出て、もう10年が経つ!なのにどうして、勇者はハジマリの村からでない!!」  

側近「ハジマリの村は魔界からも距離が遠く、比較的平和な村と聞きます」  

側近「勇者はそこが気に入り、魔王退治とかどうでもよくなったんじゃないですか?」

2 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:42:18.52 ID:xlX60cuL0

魔王「そんな勇者がこの世にいる訳ないだろ!!」 

魔王「勇者が来ない所為で、財務大臣から文句が出てる」 

魔王「城の至るところに隠した宝箱の中身を使用期限が切れない様に入れ替える費用や、配備した魔物の人件費が無駄だと!」 

側近「じゃあ宝箱の設置も魔物の配備もやめにしましょう。勇者はきっと来ませんよ」 

側近「勇者が来なければ来なくてもいいじゃないですか?」 

魔王「それはならぬ。人間界を侵略する為には勇者を倒す必要がある」 

側近「しかし勇者が来ないならばどうしようも…」 

魔王「ひらめいた!」 

側近(嫌な予感…) 

側近「何でしょうか?」 

魔王「我輩みずから、勇者を説得してくる」ゴゴゴ… 

側近「え?ちょっと待って下さい!魔王様!」 

魔王「期待して待っておれ!」ヒュンッ 

側近「あ」 

側近「行ってしまわれた…」 

3 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:43:21.78 ID:xlX60cuL0

魔王「…ここがハジマリの村か。側近から聞いた通り、平和な村だな」 

魔王「お!何か良いにおいがする」 

魔王「露店か…名物『魔牛串』…」 

店員「お一ついかがですかー?」 

魔王「」ゴクリ… 

4 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:44:36.43 ID:xlX60cuL0

魔王「うむ、美味である」 

魔王「側近はこういうものも食べさせてくれないからな。こうやって買い食いするのもたまにはいいな」モグモグ 

「きゃーーー!!」 

「出たー!魔牛だぞー!」 

モ〝オオオオオオオオオオオ! 

魔王(大きくて丸々太った魔牛達だなぁ) 

魔王(あれ?もしかしてこっち向かってきてる?) 

「そこのお前!逃げろー!」 

「危ないぞー!!」 

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ッ!! 

魔王(しかしたかが魔牛だ。何匹いようが、この魔王に適う訳がない) 

ザシュ! 

5 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:46:13.33 ID:xlX60cuL0

??「よっと、危なかったね?」ニコッ 

魔王「そなたは誰だ…?」 

魔王(あれだけ居た魔牛の群れを一掃するなんて) 

??「俺?俺は……」 

勇者Lv100「…勇者だよ」 

6 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:47:23.43 ID:xlX60cuL0

-酒場- 

勇者Lv100「どうした?遠慮しないで飲んでよ。俺のおごりだし」 

魔王「…そなた、本当に勇者なのか?」 

勇者「そうなんだよ。自分でも似合わないと思うけど、勇者なんだよね」 

魔王「てか、お前レベル凄い事になってるけど…どうして魔王倒しに行かないの?」 

勇者「うーん。ちょっと色々あってね」 

魔王「…訳とは?」 

勇者「うーん…」ジロジロ 

魔王「な、なんだ?」 

勇者「君に言ってもどうしようもないし」 

魔王「どうしようもないって」ムカッ 

魔王「言ってみなきゃ分かんないだろうが!」 

勇者「でも君弱そうだし…」 

魔王「」ブチッ 

魔王「この魔王に向かって弱そうとは何事か!!」 

7 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:47:57.82 ID:xlX60cuL0

魔王(しまった!) 

魔王(つい、勢いで名乗ってしまったではないか!) 

勇者「」プルプル 

魔王(くそ!まさかハジマリの村で対勇者戦になるとは!) 

勇者「ぶっ…あっはははっははははははっ!」 

魔王「!?」 

8 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:48:38.04 ID:xlX60cuL0

ゲラゲラゲラゲラ 

魔王(なんだ?他の奴らも笑って…) 

勇者「あはははっげほっごほっ…何言ってるの?君?見かけによらず、変な冗談言うね」 

魔王「なっ」 

魔王「冗談じゃない!私は本当に魔王なんだ!」 

勇者「あははは、うん。分かった分かった。いいよ。魔王でも」 

魔王「だから本当だって!」 

勇者「まあ、魔王なら強いし、頼りになるかな?訳を話すよ」 

9 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:49:58.21 ID:xlX60cuL0

勇者「今から10年前、俺は勇者に任命されてすぐにこのハジマリの村に来た」 

勇者「そしてそこでこの村の人々が時々村で暴れまわる魔牛に困っていたんだ」 

勇者「そこで俺は魔牛を倒した。でもいくら倒しても倒しても魔牛が湧いて出てくるんだ」 

魔王「…それで?」 

勇者「出てくる魔牛を倒し続けて、今に至るんだ」 

魔王「…それだけ?」 

勇者「それだけ。いつの間にか他の仲間も帰っちゃって…」 

勇者「俺も最近、故郷のママから手紙が来てさ。『魔王を倒す気ないなら帰っていらっしゃい』って」 

魔王「……」 

10 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:52:13.35 ID:xlX60cuL0

魔王「お前は誰だ?」 

勇者「え?だから勇者って…」 

魔王「勇者の仕事は村の警備か何かなのか?!」 

勇者「」ビクッ 

魔王「魔牛は魔界から流れてくる魔翌力に影響を受けた牛だ」 

魔王「貴様が魔王を倒しに行かずに、のんきに魔牛退治ばかりしているから、魔族は領土を広げ、このハジマリの村にも影響が出ているんだ」 

勇者「……」 

魔王「勇者の仕事は魔王を倒す事だ。そうだろう?」 

魔王(決まった!これで勇者がちゃんと魔王退治の旅に出てくれるぞ!) 

11 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:54:04.18 ID:xlX60cuL0

勇者「…分かっていた」 

勇者「だけど、ここを離れたら誰が村の人を守るんだ?」 

魔王「勇者がそんな小さな事を気にするな!」 

勇者「小さな事なんかじゃない!この村の人は良い人で、勇者らしくない俺にも呆れないでいてくれた」 

魔王(何だこいつ?勇者の癖に面倒くさい奴) 

魔王「…この村が魔牛に襲われなければよいのだな?」 

勇者「?」 

12 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:54:44.87 ID:xlX60cuL0

勇者「何をしている?」 

魔王「結界を張っている」 

魔王「魔牛が入れないようにする」 

勇者「!」 

13 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:56:17.27 ID:xlX60cuL0

魔王「名物はなくなるかもしれないが、よいな?」 

村長「大丈夫です。必要とあれば我らも魔牛を狩りましょう」 

村長「思えば、我々は勇者様に甘えてきました。勇者様には魔王を倒すという目的があったというのに」 

勇者「いいえ。甘えていたのは俺の方です」 

勇者「皆さんの優しさに甘えて、勇者としての自分から目をそらしていました」 

村長「その…魔王さん?というお名前で、いいんでしょうか?」 

魔王「うむ。そうだと言っているだろう」 

村長「あなたの酒場での演説、皆心に染みました。勇者様は我々だけの勇者様ではないと」 

村長「さぞ名の知れた賢者様と存じます。本当にありがとうございました」 

14 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:57:19.03 ID:xlX60cuL0

魔王「だから魔王だって言っているだろう!」 

勇者「俺からもお礼を言うよ。魔王、本当にありがとう」 

魔王「…まあ、いいけど」 

魔王「これで旅を始められるんだろう?」 

勇者「うん。今すぐにでも。今までの遅れを取り戻したいから」 

魔王「そうか」 

魔王(よっし!計画通り!) 

魔王「じゃあ、我輩はこれで」 

ガシッ 

魔王「?」 

勇者「…魔王、頼みがある」 

魔王「どうした勇者よ?」 

勇者「俺とパーティを組んでくれ」 

魔王「!!」 

15 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:57:54.35 ID:xlX60cuL0

勇者「頼む」 

魔王「…断る」 

魔王(だって魔王だし) 

勇者「前のパーティメンバーは俺に呆れて帰ってしまった」 

魔王「じゃあまた集めればいいだろ。てか手を放せよ」ギリギリ 

魔王(この馬鹿力!) 

勇者「君を弱そうだと言った事は謝る。どうしても君に随行願いたい」 

魔王(でもこの勇者、お人好しそうだし、同じ事を繰り返しそうだな) 

魔王(いっそ申し出を受けて、ちゃんと魔界に行くまで監視した方がいいか?) 

16 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:58:42.17 ID:xlX60cuL0

魔王「いいぞ」 

勇者「いいのか?!」 

村長「良かったですね。勇者様」 

魔王「で、どこへ向かう予定なのだ?」 

勇者「マヨイの森だよ」 

魔王「マヨイの森?」 

村長「ええ。その名の通り、とても入り組んだ森です」 

魔王「…そこを抜けるにはどのくらいかかる?」 

村長「魔物も出ますし、そうですね…一週間、長ければ二週間近くかかります」 

魔王「二週間?!」 

17 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 03:59:09.92 ID:xlX60cuL0

魔王「勇者」 

勇者「何だ?魔王」 

魔王「我輩をどうしても連れて行きたいと言うなら、今すぐ出発だ」 

勇者「え?」 

魔王(やる気がある内に早く進まなければ…) 

18 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:03:06.73 ID:xlX60cuL0

勇者「マヨイの森ということだけあって、かなり迷ったが、魔物自体は大した事なかったな」 

魔王「それは勇者がレベル100もあるからだろ…」 

勇者「魔王も十分強いよ」 

魔王(あ、何か上から目線…ムカつくな) 

魔王「ところで勇者。そなたは何故素手で戦ってるんだ?」 

勇者「武器はすぐに壊れるんだよ。殴ったり、切ったりするごとに、壊れるから不経済だろ?」 

魔王「…もっと良い武器買えよ。この町ならもっと良い武器売ってると思うぞ」 

勇者「うーん。でも疲れたし、服も汚れたし…」 

勇者「一回、宿屋に行って風呂に入りたい」 

19 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:03:45.91 ID:xlX60cuL0

魔王「いや、まず武器を買え」 

勇者「でも疲れてるんだ。明日買う」 

魔王「駄目だ。そなたみたいな奴は、明日になったらまた明後日。明後日になったらまた明々後日って言うんだろ!」 

勇者「な!」ムカッ 

勇者「決め付けだよ!」 

魔王「図星だろ」 

勇者「違う」 

魔王「武器屋に行こう。他の装備も揃えるぞ」 

勇者「でも休む事も重要だ。ノーダメージと言っても、二日も森の中を歩いていたんだ」 

魔王「武器屋」 

勇者「宿屋」 

……ぐぅぅぅ 

勇者「…お腹減った?」 

魔王(我輩の腹ながら、何て空気の読めない奴め…)/// 

勇者「じゃあ、宿屋に行こうか」 

20 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:05:10.16 ID:xlX60cuL0

-宿屋- 

宿屋の主人「いらっしゃりませー…って、もしや、貴方様は勇者様で?!」 

勇者「いかにも。俺は勇者だが?」 

主人「ほ、本物で?」 

勇者「本物だよ」 

主人「うっうわあああん!良かった!」 

主人「王から宿屋を営めと命を受け、苦節10年にして、ようやく勇者様がいらっしゃった!」 

勇者「あの…」 

主人「そこのアルバイト!今すぐ例のあの部屋を準備しろ!勇者様がいらっしゃって下されたんだ!」 

主人「ああ、本当に感激しております。ハジマリの村から出ないと聞いておりましたが、今回はどうして旅を再開されたのでしょうか?」 

勇者「この者のおかげだ」 

魔王「!」 

主人「こちらの方のおかげですか?」 

21 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:07:29.07 ID:xlX60cuL0

主人「本当にありがとうございます!なんとお礼を言っていいか…うぅぅ」 

魔王「大の男の癖に泣くな。それにお前が感謝する事ではない。勇者が魔王城に来なければ、我輩が困るのだ」 

魔王「我輩は魔王なのだから」キリッ 

主人「ぷっ…あっははははははは!!なんと、冗談もお上手なのですね」 

魔王「冗談ではない!!」ムカッ 

22 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:08:24.08 ID:xlX60cuL0

-部屋- 

魔王「おお…」 

勇者「おお…」 

魔王「たかだか小さな町の宿屋の部屋だと侮っていたが、人間界の村の宿とは皆このような部屋なのか…」 

勇者「いや、これは…王都の最高級宿と同等か、それ以上の上部屋だよ」 

魔王(よっぽどここの宿屋の主人は勇者を待ちわびていたのだな…) 

魔王(その気持ち、我輩にも痛いくらい分かる) 

魔王「しかし…」 

魔王「もしかして同室か?」 

勇者「そのようだね」 

魔王「……」 

勇者「何だよその顔は?」 

勇者「心配しなくても大丈夫だよ。俺は子供には興味ないから」 

魔王「違う!誰が子供だ!誰が!」 

勇者「あはは。いいから先に風呂入りなよ。俺は後でいいから」 

勇者「あ、一応言っとくけど、覗かないから」 

魔王「その軽口を今すぐ止めねば、舌を切り落とすぞ!」ギリッ 

23 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:08:56.29 ID:xlX60cuL0

-風呂- 

魔王「うわ…広い。我輩専用の風呂より広い…」 

魔王「しかも貸切か」 

カラカラ… 

魔王(戸の開く音?) 

??「失礼いたします」 

宿屋の娘「私はこの宿屋の主人の娘です。勇者様のお背中を流しに参上いたしました」 

宿屋の娘「あれ?勇者様ではない?」 

魔王「…勇者はあとで入ると言っていたぞ。それにお前はそんな事をする必要はない」 

魔王「父親に言われたからって、うら若き娘が裸の男の前に出てくるべきではない」 

宿娘「まあ…うふふ、違いますよ。私からお父さんに申し出たのですよ」 

24 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:09:58.08 ID:xlX60cuL0

魔王「?」 

宿娘「私が小さい頃から、お父さんはいつか来る勇者様の為に、この宿を改装してきました」 

宿娘「勇者様がこの宿に来るのを楽しみにしていたのは何もお父さんだけじゃないんです」 

宿娘「私だって楽しみにしていたから、勇者様ご一行をお持て成しをしたかったのです」  

魔王「そ、そうか。しかし勇者は大して疲れている訳でもないし、背を流すのはやめた方がよいぞ?」 

宿娘「ふふ、あなたは凄いですね。とてもしっかりしています」 

宿娘「流石その年で勇者様のお共なるだけはありますね」 

魔王「?!」 

25 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:11:06.86 ID:xlX60cuL0

魔王(その年?) 

魔王「…娘よ。我輩はいくつに見える?」 

宿娘「まあクイズ?」 

魔王「そ、そんなところだ」 

宿娘「そうですね。10歳ですか?」 

26 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:11:45.86 ID:xlX60cuL0

-翌朝- 

勇者「」モグモグ 

魔王「」モグモグ 

勇者「…なあ魔王?昨夜から元気がないようだが、どうしたんだ?」 

魔王「そなたには関係ない」キッパリ 

勇者「そ、そうか…」 

27 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:12:15.22 ID:xlX60cuL0

勇者「あのな、魔王。俺はこれから武器を見てこようと思うんだが、君もどうだ?」 

魔王「遠慮する」 

勇者(やはり様子がおかしい?) 

勇者「じゃあ、何か欲しい物とかある?ついでに買ってくるけど」 

魔王「別に」 

勇者「じゃあ、して欲しい事とかあるか?」 

魔王「何でもよいのか?」 

勇者「もちろん」 

魔王「では日が沈むまで…戻って来るな」 

28 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:12:46.39 ID:xlX60cuL0

魔王「うむ。勇者は行ったか。よしっ」 

魔王「あー…マイクテストマイクテスト…聞こえるか?見えるか?側近よ」 

側近『はい!良かった。ようやく連絡がとれ…え?!』 

魔王「…」 

側近『どうしたんですか?随分可愛らしくおなりなりましたね…』 

魔王「どうしてかは我輩が知りたい」 

29 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:35:10.79 ID:xlX60cuL0

側近『はぁ…それで勇者をハジマリの村から連れ出して、昨夜、自分が縮んでいると知ったと』 

側近(どうしてもっと早く気が付かなかったんだろう…) 

魔王「これはどうすれば戻るんだ?これでは勇者が魔王城に着いても、まともに戦えないではないか?」 

側近『もしや魔翌力も弱っておいでで?』 

魔王「……どうすればよい?」 

30 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:35:42.83 ID:xlX60cuL0

側近「ハジマリの村と魔界では物理的にも世界的にも遠すぎます。通常移動は不可能です」 

側近「そこを魔王様は無理に移動なされた。その所為で一時的に縮んでしまわれたのかと」 

魔王「…そうか…」 

魔王「そんな予想が出来たんなら、どうしてあの時止めなかった!そなたは我輩の側近だろう!」 

側近「止めたのに聞かなかったのは魔王様でしょう」 

魔王「まあ、とにかく時間が経てば戻るんだな?」 

側近「それと魔界に近付けば、その分戻りも早いと思われます」 

魔王「そうか!なら良い!勇者を連れて魔界に向かえば、一石二鳥じゃな」 

側近「え?」 

側近「最後まで案内なされるおつもりで?」 

魔王「当たり前だろ。勇者は我輩以上のものぐさな男だ」 

魔王「しっかり勇者の役目を果たすよう監視しなければ」 

側近「…分かりました。では、我々は魔王様のお帰りをお待ちし、勇者戦に向けて準備を整えます」 

魔王「うむ。では留守を頼むぞ、側近」 

31 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:36:20.70 ID:xlX60cuL0

-夕方- 

勇者(魔王(自称)…なんだか元気がないようだったけど。風呂に入る前にからかいすぎたからかな?) 

勇者(魔王(自称)は早く俺を魔王城に行かせたいらしいし、町で聞いた魔王を倒す為の情報を知れば、少しは機嫌がよくなるかな?) 

ガチャ 

勇者「魔王(自称)っ!町で魔王についての情報を聞いてんだ」 

魔王「ん?どんな?」 

勇者(あれ?何か機嫌が直ってる) 

魔王「どんな情報だ?」 

勇者「いや、隣国に勇者の剣があるという噂なんだが」 

魔王「うむ。分かった。明朝、出かけようぞ」 

勇者「!」 

勇者「今直ぐ出発とは言わないのか?」 

魔王「馬鹿なことを言うな。夜はしっかり寝なければ疲れも癒えないのだぞ」 

魔王(体を癒して、魔翌力の回復をし、我輩は元の姿に戻るのだ!) 

勇者(…昨日と何か言ってる事が違うぞ) 

勇者(まあ、俺も今日は歩きまわって疲れたし、その方が良いけど) 

勇者「分かった。では明日出発しよう」 

32 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:39:34.34 ID:xlX60cuL0

-隣国関所- 

勇者「はい、通行手形」 

兵士A「は?!……貴方様が勇者?!」 

兵士B「え?本物で?10年間ハジマリの村に引き籠っていたという噂の、あの勇者様?!」 

勇者(何か、凄く馬鹿にされている気分だ) 

勇者「…で?通っていいの?」 

兵A「は!どうぞ…お通り下さい。勇者様とお供の方」 

魔王(誰がお供だ…)ムカッ 

??「キャンっ?!」 

兵士「?!」 

33 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:44:29.28 ID:xlX60cuL0

兵A「今の鳴き声…勇者様?」 

勇者「なに?」 

兵B「その袋の中身は何ですか?」 

勇者「何でもないよ」 

兵A「あ!あれはなんだ!」 

勇者「え?!」 

どさっ 

子犬「キャウン!」 

勇者「あ!大丈夫か?」 

34 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:44:56.40 ID:xlX60cuL0

兵A「…勇者様。こちらの注意書きはお読みになられたでしょうか?」 

兵B「我が国は、犬は入国禁止でございます」 

勇者「そこを何とか…」 

兵A「駄目です。これは法律です。犬をこの国に持ち込んでは誰であろうと死刑になります」 

兵B「それは勇者様。あなたであっても例外ではありません」 

勇者「昔はそんな法律なかった」 

兵A「昔はそうでしたが、今は違います」 

兵A「それからこの門には高度な魔法がかかっています」 

兵B「隠しても直ぐに門が犬をはじき出しますからね」 

勇者「…分かった」 

35 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:46:01.42 ID:xlX60cuL0

-隣国の外- 

魔王「だから言っただろう。そんな犬、捨ててしまえ」 

勇者「でもまだ子犬だぞ?大きな獣に食べられてしまうかもしれない。餌がなくて野垂れ死んでしまうかもれない…」 

魔王(また始まった…) 

勇者「魔王も可哀そうだと思うだろう?」 

魔王「思わんな」キッパリ 

勇者「な!」 

勇者「この冷血人間!」 

魔王「思わん。弱い物は淘汰されるのは自然の摂理だ」 

勇者「でも俺達は今この犬を救う事が出来る。出来るのに、置いてなんていけない」 

勇者「この国での用事を終えたら、次の国できっと飼い主を捜すから」 

魔王「…はあ」 

36 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:51:31.58 ID:xlX60cuL0

魔王「分かった…」 

勇者「え?」 

魔王「方法はある」 

37 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:59:28.60 ID:xlX60cuL0

-隣国関所- 

兵A「今度は犬を連れて来ませんでしたよね?」 

勇者「もちろん」 

兵B「隠しても魔法がかかっているので直ぐ分かるんですからね?」 

勇者「分かってる」 

勇者「……あ!!」 

勇者「あれはなんだっ?!」 

兵士「え?!」 

兵士「……何もないじゃないですか」 

勇者「ははっさっきのお返しだよ」 

兵A「勇者様って子供っぽいんですね」 

勇者「ん?何か言ったか?」 

兵B「いいえ、何も。ではお供の方も一緒にお通り下さい」 

38 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 09:59:54.08 ID:xlX60cuL0

魔王「…随分、賑やかな国だな。いつもこうなのか?」 

勇者「いや、栄えているとは聞いていたが、これではまるでお祭りだ。きっと何かあるのだろう」 

勇者「それより」 

魔王「?」 

勇者「驚いたよ。君の言う通り、注意を逸らしたけど、犬を隠したまま通れた」 

勇者「一体どうやったんだ?」 

魔王「関所の壁に魔法陣があったのは分かったか?」 

勇者「ああ」 

魔王「それに細工をしてやったんだ。これでもうあんな魔法陣は無効だ」 

魔王「どんな威力の強い魔法だって、その元を絶ってしまえば簡単に無効に出来る」 

勇者「魔王は本当に物知りだな。流石、賢者という事だけある」 

魔王「だから我輩は魔王だ!」 

39 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:00:35.89 ID:xlX60cuL0

勇者「じゃあ早速、王の城へ向かうか」 

魔王「そして王から勇者の剣を貰うんだな?」 

勇者「そうだ。王様から俺が真の勇者と認められたら、剣を頂けるらしい」 

魔王「…そこが一番心配なんだ」 

勇者「え?」 

魔王「魔王の我輩がいうのも何だが、そなたには勇者としての自覚が足らなすぎる」 

魔王「ハジマリの村の村人やその犬の事だって、そなたは小さな事に囚われている」 

勇者「そんな事言われたって…あ!」 

40 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:01:03.29 ID:xlX60cuL0

魔王「なっ何だ?!」 

勇者「犬がいない!さっきまで袋の中で動いていたのに!」 

魔王「…穴が開いてる。恐らくここから逃げたのだろう」 

勇者「探さなきゃ!こんな国に一匹でいては殺されて…」 

魔王「勇者!我輩がさっき言った事をもう忘れたか?」 

勇者「…しかし」 

魔王「この国は法律で誰であろうが、犬を入れてはいけない事になっている。そなたが犬を入国させた事がバレたら、この国の王は何と思う?」 

勇者「……」 

魔王「仕方ないんだ。この国の外にいようが、中にいようが、どうせあの犬は死ぬ運命にあったんだ…」 

魔王「このまま、城へ向かうぞ」 

41 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:01:36.31 ID:xlX60cuL0

-謁見の間- 

勇者「お久しぶりです。王女様」 

王女「……」 

大臣「よくぞ参ったと、王女様はおっしゃっています」 

勇者「え?ああ、そうですが…貴方は?」 

大臣「私はこの国の大臣です。王が不在の今、王に代わりこの国を治める王女様の補佐をしております」 

勇者「王様が不在?一体どうして?」 

大臣「それは貴方の所為ですよ。勇者どの」 

42 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:01:59.31 ID:xlX60cuL0

大臣「貴方がいつまで経っても勇者の剣を取りに来ないから、王は魔族との戦争の前線立ち、直々に指揮を取っておいでです」 

大臣「あと数年は遠征から戻られそうにありませんから、勇者の剣はお渡しはできませんな」 

勇者「そんな…」 

魔王「…おい、王女」 

大臣「何だ?お前っ!王女様に向かって馴れ馴れしい口をきいてっ」 

魔王「王女。そなたは王の代理であろう。そなたが勇者を真の勇者と認めて、剣を授けてやらんか?」 

魔王「話を聞くに、そなたと勇者は知り合いなのであろう?」 

43 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:02:43.69 ID:xlX60cuL0

大臣「ええい!勇者どののお供と言えども、それ以上の無礼な口の聞き方は許さぬぞ!」 

王女「……」 

魔王「だからっ貴様になんぞ聞いてはおらん!我輩は王女に言っておるのだ!」ムッ 

魔王「少しは黙ってろ!ハゲ!」 

大臣「なっ!」 

大臣「勇者どの!供の者はもっと選んでいただかなければ!」ワナワナッ 

勇者「…王女様、無礼を承知で申し上げます。俺との約束を覚えていらっしゃいますか?」 

大臣「勇者どの!ですからっ」 

勇者「王様は魔王を倒した者の願いを何でも叶えて下さるとおっしゃった」 

勇者「幼い頃、俺が魔王を倒したら、王女様は王女様と結婚して、この国の王になると願っても良いとおっしゃいましたね?」 

44 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:04:35.45 ID:xlX60cuL0

大臣「勇者どの!王女様に対して、何と言う事をおっしゃるんですか!」 

王女「……」 

大臣「くっ…」 

大臣「誰か!勇者ご一行がお帰りだ!城外まで皆でお見送りをいたせ!」 

兵士達「は!」 

勇者「なんだ君達…」 

魔王「無礼者!放せ!」 

勇者「王女様!どうして一言も口をきいて下さらないんですか?!」 

王女「……」 

大臣「勇者どの。王女様は緊張しておられるんです」 

大臣「何と言っても、明日は…」 

大臣「王女様の結婚式でいらっしゃいますから」ニヤリ 

勇者「?!」 

大臣「ぷぷっ、振られてしまわれましたね。勇者どの」 

45 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:05:07.55 ID:xlX60cuL0

-宿屋- 

魔王「何なんだ!あの王女も大臣も!」 

勇者(おかしい) 

勇者(最後に王女に会ったのは10年以上も前だが、いくら緊張していたって、あそこで何か反応はあるはずだ) 

勇者「魔王」 

魔王「なんだ?」 

勇者「俺、もう一度王女と話してみる」 

46 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:06:27.56 ID:xlX60cuL0

魔王「…正気か?」 

勇者「確かめたい事があるんだ」 

魔王「無駄だ。あの女の態度見ただろ?いくらそなたが気にかけたって、望みなしだぞ」 

勇者「違う。昔見た時と随分印象が違う」 

魔王「…何かあるんじゃないかって?」 

勇者「ああ」 

魔王「分かった。でも明日は王女の結婚式だし、恐らく門前払いを食うぞ」 

勇者「そんな事は承知だよ」ニコッ 

魔王「……」 

47 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:06:54.12 ID:xlX60cuL0

-城の門前- 

兵士C「ふああ…眠い」 

兵士D「おい、欠伸なんかしてるところを見られたら、減給じゃ済まないぞ!」 

兵C「…あー…王様がいなくなってから色々やり辛くなったな」 

兵D「バカ!誰が聞いてるか分からないんだぞ!」 

兵C「でもさぁ、本当の事じゃん…」 

兵C「今回の王女様の結婚も、大臣が裏で糸を引いてるって噂だぜ?」 

勇者「ほう?詳しく聞かせて貰えないかな?」 

48 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:07:53.84 ID:xlX60cuL0

兵士「!」ビクッ 

兵D「誰か…ぐはっ」 

勇者「君はちょっと眠っていてくれ」 

兵C「!」ガタガタッ 

勇者「さて、邪魔者は消えたし、王女様と大臣の話を聞かせて貰おうか?いいよね?」 

兵C「はっはい?!」 

魔王(…こやつ、勇者の癖にめちゃくちゃ怖い…) 

49 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:08:22.77 ID:xlX60cuL0

勇者「まず大臣が王女様の結婚の糸を引いているという話だが、どういう事だ?」 

兵C「はい…実は王女様の結婚相手は大臣の息子なんです」 

勇者「!」 

兵C「王様が遠征に行かれてから、王女様が代理を務めている…というのは名ばかりで、実際は大臣が国を仕切っています」 

兵C「その頃から王女様は以前とは違って、とても無口になられました」 

勇者「…そうか。どう思う魔王?」 

魔王「どうもこうも、明らかに大臣が怪しいだろう」 

兵C「ええ!そうなんですよ!」 

兵C「大臣が実権を握ってから、我々兵士の給料は減って、ちょっとした事ですぐに減給だ!」 

兵C「カカアにも安月給とどやされるし…何もかもが、大臣の所為…ぐはっ」 

勇者「…よし。行こうか」 

50 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 10:08:54.56 ID:xlX60cuL0

魔王「なあ、勇者…」コソッ 

勇者「なんだ魔王?」コソッ 

魔王「そなた、王女の部屋を知っているのか?」 

勇者「ああ、俺の祖父も勇者だったんだよ」 

魔王「え?」 

勇者「でも魔界に足を踏み入れてそれっきり。多分、祖父達は殺されてしまったんだろうね」 

勇者「勇者の孫っていうのもあって、俺は城に招かれた事があったんだ」 

勇者「そこで俺は、よく幼い王女の遊びお相手をさせられたよ」 

51 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) : 2012/03/18(日) 11:59:35.17 ID:y9xTRwC10

面白いけど年齢とか気になるな・・・10年は・・・長すぎるかもww 

53 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:29:08.52 ID:xlX60cuL0

>>51 

年齢は、勇者は20代後半から30代前半、魔王は200歳くらい、王女は20代前半の設定です。 

54 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:30:54.17 ID:xlX60cuL0

勇者「ここが王女の部屋だ」 

魔王「何だか、あっさりここまで来てしまったな」 

勇者「罠の可能性もあるが」 

勇者「あの兵士の話じゃ、特に変わった命令は出ていないようだったし」 

カチャ 

勇者「…開いた」 

55 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:31:34.53 ID:xlX60cuL0

-王女の部屋- 

王女「すー…」 

魔王「…寝てるな」 

勇者「…王女様。起きて下さい。王女様?」 

王女「う…うーん…」パチリ 

魔王「あ、起きた」 

56 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:32:04.88 ID:xlX60cuL0

王女「!!」 

勇者「寝所に忍び込んだ無礼をお許しください。俺はどうしても貴方と話が…え?うわっ?!」 

がばっ 

王女「ちゅっちゅっ♪」 

勇者「?!」/// 

魔王「なっ?!」/// 

勇者「おおおおお王女様!おやめ下さい!」/// 

王女「ペロペロ♪」 

魔王「このっ勇者から離れろ!アバズレがあ!!」ゲシッ! 

57 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:33:05.23 ID:xlX60cuL0

王女「キャウン?!」 

勇者「キャウン?」 

魔王「キャウン?」 

魔王「まさか!」 

王女「クーン?」 

ぶちりっ 

勇者「魔王!王女様のお召し物に何を?!」 

58 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:33:36.99 ID:xlX60cuL0

魔王「…やはり…この女、王女ではない」 

勇者「え?」 

魔王「獣の臭いがする」クンクン 

魔王「この王女は何か、獣と姿を入れ替えられたのだろう」 

魔王「操り人形にする為に…」 

王女「ワン!ワンワンワンワオーン!!」 

勇者「王女様っちょっと静かに…」 

59 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:46:32.99 ID:xlX60cuL0

どどどどどどどどど… 

大臣「王女様!いかがなさいましたか?!」 

兵士「王女様の上着が肌蹴て…?!」 

大臣「ええい!勇者ともあろう方が王女に向かって暴行とは何事であろうか!」 

大臣「ささっ王女様。こちらにいらっしゃい」 

王女「キャンキャン♪」 

大臣「よしよし、怖かったですね?」 

勇者「大臣よ。よくそんな事を言えるな事が言えるな」 

勇者「本物の王女はどこだ!」 

60 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:47:30.53 ID:xlX60cuL0

大臣「ふん。何の事やら?」 

勇者「とぼけるな!」 

大臣「兵士達!勇者とクソガキを地下牢へぶち込んでおけ!」 

勇者「くっ放せ!」 

魔王「勇者!止めろ!抵抗するな!」 

ガツン! 

61 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:50:19.83 ID:xlX60cuL0

-地下牢- 

勇者「…」 

魔王「本当に抵抗しなかったな」 

勇者「魔王が抵抗するなと言ったからだろう。おかげで服がボロボロだ」 

魔王「…すまん」 

勇者「謝るな。どうせ逃げたとしたら、もう一度忍び込むのは大変だしな」 

勇者「それに、魔王には何か考えがあるんだろう?」 

魔王「ああ、但しもう一度、王女の傍に行く必要がある」 

勇者「分かった」 

62 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:56:04.07 ID:xlX60cuL0

ぐにゃり 

魔王「…素手で…鉄格子を曲げた…だと?」 

勇者「レベル100だから、これくらい朝飯前だよ」 

魔王(こいつが魔王城に辿り着く前に、力を取り戻さなければ、本気で負けるかもしれない…) 

63 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 13:57:12.86 ID:xlX60cuL0

カシャン 

魔王・勇者「ん?」 

子犬「」ガタガタガタ 

魔王「あの時の犬!」 

勇者「それ…もしかして牢屋の鍵?助けに来てくれたのか?!」タタッ 

子犬「フー…ワン!」ビクビク 

勇者「どうして逃げるんだ?」 

魔王「当り前だ。牢屋を素手で破る男の腕には抱かれたくないだろう」 

64 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) : 2012/03/18(日) 16:30:19.38 ID:iavt1IbNo

どこが切れ目か分からないからレス控えてたが面白い、見ていく 

65 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) : 2012/03/18(日) 16:32:06.23 ID:nnEg0J+po

面白い 

できたら投下中断する時は一言あると嬉しいです 

感想レスとかつけにくいから 

67 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 17:29:03.34 ID:xlX60cuL0

>>65 

すみません 

次の中断からは一言入れていきます 

68 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 17:29:44.32 ID:xlX60cuL0

勇者「思ったより、兵士が少ないな」 

魔王「…王女をどこか別の場所に隠して、そこの警備を固めているのかもしれない」 

勇者「このままでは王女が大臣の娘と結婚させられてしまう…」 

子犬「ワン!」 

勇者「何だ?君も王女が心配なのか?」 

魔王「…なるほど」 

70 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 17:38:06.84 ID:xlX60cuL0

魔王「犬よ。そなたは王女の居場所を知っているのか?」 

子犬「ワン!」 

勇者「なに?本当か?」 

魔王「行け、犬」 

子犬「ワン」トコトコ… 

71 :  VIPにかわりましてNIPPERがお送りします : 2012/03/18(日) 17:39:29.08 ID:xlX60cuL0

勇者「…ここか」 

魔王「教会か。そのまま朝になったら結婚式でもあげるつもりか?」 

勇者「そんな事はさせない」スゥ… 

ドカン!ガラガラガラ! 

大臣「何だ?!くそ!またお前達か!」 

勇者「王女様を返して貰う!」 

子犬「ウゥー…ワンワンッ!」 

大臣「なぜその犬が?!」 

大臣「くそっ!兵士ども!こいつらを皆殺しにしろ!」 

兵士「しかし相手は勇者様では…」 

大臣「ええい!私の命令がきけないと言うのか!」 

大臣「貴様も貴様の家族も全員縛り首にするぞ!」 

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