お昼の時間になって弁当を食べようと思ったら弁当がない…いじめっ子『おいお前の弁当。。

おかしなBBA

高校二年生の頃、俺は苛められていた。

誰に、と言うわけではなく、「クラス全体」からのいじめだ。

時には、クラス全員から無視され、時には、○○(俺の名前)病やーとか言われ、

俺にちょっとでも触れた奴が騒ぎ出す。

鬼ごっこならぬ○○病ごっこの始まりである。

教師も、表面上は心配していたが、裏ではめんどうな問題の一つとしてしか見ていなかったと思う。

そして最悪だったのは、弁当を鞄から取られた事だ。

昼休み、俺は自分の弁当を食べようと、かばんをあさった。

しかし弁当の感触は無く、教科書の感触だけが俺の手を伝わった

無い。

無い。

俺の弁当が無い。

首をかしげながら、ふと回りに目をやるとこちらを見て、数人の男子が笑っている。

(教師も手を焼くDQN軍団)

「おい○○お前の弁当落ちてるぞ」

嫌な予感がした。

俺はビクつきながらもDQN達の居る所へと歩いていく。

俺の弁当は確かにそこにあった。

「見つけてやったんだからさ。

1割だよな」

「5000円くらいじゃね?」

げらげらと下品な笑いを浮かべるDQNたち

ゴミ箱の中に捨てられた弁当の中身を見ながら俺は震えだした。

今まで、どんな苛めも耐え抜いてきた。

しかしこの弁当は、母が作ってくれたものである。

朝から晩まで働いている母が、眠い目を擦りながら作った俺の大好きなお弁当。

俺は感じたことの無い感情に見舞われた。

こういうのを切れると言うのだろうなと思いながら

俺は椅子を持ち上げていた。

初めて自分以外のちを見た。

真っ白な頭の中、振り下ろした椅子はDQNの頭をかすり、

傷口からは噴水の様にちが噴出していた。

「きゃあー」

クラスに響く女子の叫び。

それもそうだ。

噴水の様なちを流す、クラスメイトを目の前にしているのだから。

と、その悲鳴を聞いて、たまたま通りかかった教師が入ってくる。

「なにしてんだお前ら」

また奴らが馬鹿なことでもしているのかと思ったのか、何処か余裕のある言い方だった。

しかし、その原因が生徒のちだと知った教師は

顔面蒼白で一瞬、固まった。

「うわ…うわ…早く…し…止ケツするんだ」

上ずった声で生徒に命令すると教師は俺の方を見て、更に顔面蒼白になっていった。

そこには、ちの付いた椅子を持って、ちしぶきを見つめる俺が居たのだから。

幸い、と言うべきか、DQNの怪我は大したことはなく、

一応病院に行った方が良い、と保健室の言われる程度だった。

俺はと言うと校長室に呼ばれ、5、6人の教師に囲まれていた。

「なぜあんなことをしたの?」

「××君(怪我をしたDQNの名前)、タヒんじゃうかもしれなかったのだよ?」

タヒんだらどんなに嬉しかっただろうか。

教師の中には黙り込んで、俺の方をチラチラ物珍しそうに見るだけの教師も居た。

担任に至っては「どうしてこんなことになったのかまったくわからない」

などと、あきれた台詞を校長にぶちまけていた。

その口からは俺は悪くない、俺の責任じゃないとの自己中心的な主張が飛び出していた。

教師達のふざけた会話を聞き流しながら俺はいつ帰れるのだろう、なんて考えていた。

するとふいに校長室の扉からノック音が聞こえた。

「あの…○○の母ですが…」

俺はこのときほど、タヒにたいと思ったことは無い。

「あの…○○の母ですが…」

俺の心拍数は一気に上昇した。

さっきまで、

まるで冗談の用に感じていた今日の事件が現実味を帯び、徐々に俺の首を絞めていく

「入ってください」

校長の一言で、扉が開く。

母の格好は、お世辞にも綺麗なんて言えなかった。

顔にはススの様な黒いものが付き、それと同じものが両手、両腕の所々に

付いていた。

息を切らし、俺の方をキッと睨み付けた母は、その場に泣き崩れた。

「○○…なにしたの…こんな大勢に迷惑かけて…」

涙と嗚咽の混じった言葉に、俺は何も返せなかった。

ただ、俺の目にも母と同じものが浮かび、そして垂れ落ちていった。

「まあまあ、お母さん。

とりあえず座ってください」

校長が、諭すように言うと母はゆっくりと俺の横に座った。

涙の音が聞こえるような距離で、母はハンカチを俺に渡した。

自分だって泣いているのに。

ハンカチを受け取ると同時に、また、ノック音が聞こえる。

「あの…××ですが…」

俺が椅子でなぐった××だ。

その声に、不思議と俺は恐怖も不安も無かった。

扉の向こうから聞こえた××の声は、小さく、消え入りそうだったからだ。

「入りなさい」

扉を開け、入ってきた××の頭は包帯でグルグル巻きにされていた。

金髪の髪は包帯で隠れ、彼の面影をほとんどなくしていた。

入ってくるなり、××はその場に頭を擦りつけた。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

部屋中に広がる彼の声に、教師全員、そして俺と母も耳を疑った。

教師、そして母側から見て、俺が謝るのはおかしなことじゃない。

しかし、目の前では俺ではなく××が、包帯でグルグルまきにされた頭を床に置き

、泣き崩れるように謝っていた。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

延々と続くレコードの様に、幾度と無く謝る××。

ところで、俺は自分が苛められていることを母に話したことは無い。

たとえ、教科書がボロボロで「氏ね」と落書きされていようとも

母の前では強がり、いもしない友達と体験談をできるだけ明るく話してきた。

これからもきっと変わらないだろう、と三秒前までは心の中心で思っていた。

しかし、この××の行動、そして俺の暴走が母の中で結びついたらしく

そもそも俺が苛められているのではないのか?と心のどこかで思っていたのだろう。

母はいきなり立ち上がると見たことも無い形相で教師、××、そして校長をにらみ付けた。

「○○は私の子供です」

「○○はあなたがたにとってなんですか?」

母の意外な、そしてスゴミのある一言に部屋に居た全員が言葉を探す。

困惑し、顔をうつむける者が大半だったが、俺だけは母をジッと見つめ、

その一言一言に耳を集中させていた。

「ただの生徒。

たくさん居る中の一人なのではないのですか?

それも腫れ物の様に思っている。

違いますか?」

母の言葉に、うつむいた顔を上げれない教師、そして××。

充ちした目に、更に涙が押し寄せる母はもう一度口を開いて

「○○は…私にとってはたった一人の…一人の…息子です」

言い終わると気が抜けたようにソファに腰を下ろす母。

俺の方を見ると、小さく笑っていた。

「○○、帰ろう」

俺の手を引いて校長室から出ようとする母。

それを誰も止めない。

皆、俯いたままだった。

ガラガラ、と古臭い音を立てて開く扉。

母の手を握り締め、俺は学校を出た。

幼い頃、何処へ行くのも一緒だった母の手のぬくもりを感じながら俺は泣いた。

泣きながら家までの道を母と一緒に歩いた。

俺は今日の出来事を悪いと思わないことにした。

悪いと思うことは母への愚弄の様に思えたからだ。

母もそれを解ってか解らずか、叱ることは無かった。

今日も夕日が落ちていく。

だんだんと小さくなる、

俺と母の影はまるで幼い頃の僕らを見ているようだった。

皆さん、お付き合いありがとうございます。

最後まで読んでくれた方、僕のような新参者にお付き合いしていただき改めてありがとうございます。

また何処かのスレで会ったら、その時はよろしくお願いします。

これでおしまいです。

■ ネットの声 ■

【リアタイ乙

泣いた】

【。゜゜Д゜゜。お母さんと仲良くね】

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