五年前、嫁が取引先の男と一年以上不倫してたの判って、悲惨な修羅場をくぐって離婚。
慰謝料と、相手の会社から“迷惑料”受け取ったけど、手をつける気にならず銀行に置きっぱなし。
この八月、元嫁と、再婚した不倫相手が一緒にいるところに偶然バッタリ。
元嫁、信じらんないくらい綺麗になってた。もう36だけど。
で、子供二人連れてた。
どうも、って言葉交わしただけで、何も話さなかったが、幸せオーラが伝わってきた。
一週間くらい落ち込んだ。
「不幸になればいいのに」って考えで頭が一杯の自分もイヤになった。
俺は離婚以来、女に無縁。この先も多分同じ。
「身軽で良いね」なんて言われるが、仕事しか能ないけど高給取りでもない、
イケメンでもない40歳じゃ、このご時世、再婚もキツい。
慰謝料は二回に分けて合計600万。
結婚4年でこの額は相場(?)より高いらしい。
迷惑料は、元嫁と間男が勤めてた会社から100万よこした。
パーっと使っちゃえば良いのだろうけど、それも出来ない。
情けない。
元嫁も、間男の顔も見たくなかったけど、
子供二人産んでたのは知らなかったし、ちょっとショックだった。
今は他人なんだから、子供いても不思議じゃないんだけどね。
お互いに「あっ」って感じだったけど、向こうから声掛けらんなかったのは、
やっぱり気まずかったのかな。
でも幸せな親子4人って雰囲気で、すぐに忘れてるんだろうな…
元嫁の不倫の原因…っていうのは、結局俺が鈍いということに尽きるかも。
間男が転属で配置された先に居た元嫁に一目惚れ、
3ヶ月口説かれた末に落ちて、ホテルで“結ばれ”て、“離れられなく”なったって。
「キチンと償って、夫婦になろう」という話になって半年近く俺に言い出せなかったらしい。
元嫁に変化があったんだろうけど、気づかなかった。
「あなたに落ち度や、悪いところが有れば、こんなに苦しまなくて済んだ」という二人の言葉は、
言い訳というより皮肉にしか聞こえなかった。
「知らないという事は恐ろしい」ってホントの事だった。
俺にとって離婚決めるまでの一週間は、かなり長かった気がする。
離婚した時、俺の両親は既に他界していて、血縁は姉夫婦だけ。
姉に事情を話すと大激怒、元嫁の実家に怒鳴り込みそうな勢いで、
義兄と二人で何とか押しとどめた。そのあとは悲嘆にくれるばかり。
元嫁の両親はかなりショックだったようで、義父は翌月体調崩して入院。
一度見舞いに行ったが、以後会ってない。
勤め先に話すのが一番まいった。上司に離婚決めたことを話すと、「うわー」と言って暫く絶句。
元嫁と間男の会社は取引先で、上司は間男とも面識があった。
取り敢えず周囲には離婚したことは伏せてくれて、話は上の方に行き、
慰謝料とは別の迷惑料というのは、翌週に向こうの会社から言って来た。
会社に送られた金がそのまま俺の口座に振り込まれた。もちろん明細とか無し。
どんな処理された金なのかは知らない。
金で黙った、というわけじゃない。
もうどうしようもない状況で、ただただ諦めの心境だった。
今考えても、他にやり方は無かったと思う。
ちなみに慰謝料600万は間男の姉の知り合いだかの弁護士が言って来た。
算定基準等はないが、精..一杯の誠意として、間男の方で出せる金額だって。
慰謝料は購いであって制裁金ではないと言われたが、俺の倍近い高給取りには、
そうキツいダメージかどうか分からない。
心の根底に「相手の男が悪いだけ」「運が悪かった」「元嫁は悪くない元嫁を信じたい元嫁はそんなことしない元嫁は騙されただけ」「自分の女を見る目が間違っていた訳じゃない?それを認めたくない?」
というような裏返しの心理なんですかね
そう考えてもらって間違いないかと思う。
どこの国の言葉だったか忘れてしまったが、20代の頃に「夫の浮気は妻が悪い。
妻の浮気は言い寄ってくる男が悪い」なんて話を聞かされたことがあって、
そーかー、そういうもんなのかー、なんて頭に刷り込んでいたし。
さすがに今はそういう考えに与することは出来なくなったし、多少は学習した。
活かされることがあれば良いけど。