先週、娘の結婚式だった。
私も娘も素直な性格じゃないので、
ろくに会話を交わすこともなく結婚前夜が過ぎた。
結婚式当日は、娘を直視できなかった。
バージンロードでは体が震えた。
披露宴では泣きたくなかったので、やはり直視せずにいた。
終始上の空だった。
式が終わり帰宅し、
リビングのテーブルに座りボーっとしていたら妻がパソコンを持ってきた。
妻は、
「今日までしっかり娘を育ててきた父さんにこれが私からのご褒美よ」
と言い、画面に映像が写った。
生まれたての小さな娘、
カメラの前で歯がない口を大きくあけて笑う娘、
ハイハイで駆けずり回る娘、歩く娘、転んで泣く娘、
とうたん、と言う娘、
おとうさん大好きと笑う娘、
私に抱き上げられぎゅっとしがみつく娘、
運動会で頑張った娘、
撮らないでとそっぽ向く娘、カメラに気付き髪を直す娘、
映像の中で娘はどんどん成長していった。
そして、娘の今の映像が映し出され、
私に話しかけてきた。
「結婚式前夜でちゃんと話をできたらいいんだけど…」
という言葉から始まり、
「最後にお父さん本当にありがとうございました。お父さん大好き」
と泣きながら言ってくれた。
パソコン教室に通ってまで頑張ってくれた妻と、
これまで健康に成長したくさんの思い出をくれた娘に、
感謝の気持ちで一杯で涙が溢れた。
死ぬときには、このDVDと一緒に棺に入る。
死んでもずっと私の宝物だ。