A子「家族にいい思い出はないけど、私ちゃんの隣に生まれてこれただけでお釣りがくる」

隣の庭

A子とA子と私は家が近所で同い年の幼馴染み。

物心ついた頃から家族ぐるみで仲が良かった。

A子は学校の成績こそ中の下といったところだったが、ある分野(文化系)で際立った才能があり、小学生の頃から何度も全国的な賞を受けていた。

一方私は成績こそ常に上位だったが、A子のような特別な才能も感性もない平々凡々な人間。

でもA子と私は家が近いことを差し引いてもとても気が合う親友で、A子は作品ができると真っ先に私に見せてくれたし、私はA子によく勉強を教えてあげたりテストのヤマを伝授したりした。

それだけならめでたしめでたしなんだが、それですまなかったのが私たちの母親。

A子の母親はとにかく学校の成績が大事という考え方の人で、A子がいくら賞をとろうがその分野で熱心に努力しようが、勉強の邪魔!そんなことにうつつを抜かしてるから成績が悪いんだ!と責めるばかり。

そして「隣の私ちゃんはあんなに成績がいいのに、どうしてあんたは…」と必ず私を引き合いに出して説教したそうだ。

一方私の母親は、私がいくらいい成績をとっても誉めるどころかいつも不満げ。

そして「勉強ばかりできても何にもならない、A子ちゃんみたいにすごい才能でもあるならまだしも」と何かとA子と比べられ愚痴られた。

高校進学の時も、A子は推薦が受けられそうだったのに、明らかに実力よりランクの高い学校を受験するよう親に強要され、私は志望した進学校よりランクの低い商業高校に推薦で行くよう強要され(なんの取り柄もないのだから就職に有利な学校に行けと言われた)、二人ともものすごく悩んだ。

ちなみにA子の父親は浮気が原因で離婚(養育費は出ていた)

私の父親は単身赴任で娘には無関心な人だった。

そのころ私が泣きながら「A子と私が入れ替わって生まれてたらどっちの家もうまくいったのかな」と呟いたら、A子が「多分変わらないよ。お母さんもおばさん(私の母親)も、今度は正反対のこと言ってくるんじゃない?」と答えた。

それを聞いて私もふっと冷めたというか、母親はとにかく何かに不満をぶつけたくて仕方なくて、たまたま目の前にいる私がその対象になってるだけなんだな、私が何をしてるから気に入らない、こうすれば満足、というものじゃないんだろうな、と気づいた

それから私たちは担任の先生の尽力もあってなんとか志望校に進学できた。

今はお互い社会人となり、幸い中学の頃語り合った通りの職につくことができている。

家族とは絶縁までいかないものの疎遠になっているが、A子とはしょっちゅう会うし、A子はプロになった今も完成した作品を真っ先に見せてくれる。

A子がいたから私は母親に潰されずに済んだ気がしてる

A子は「家族にいい思い出はないけど、私ちゃんの隣に生まれてこれただけでお釣りがくる」と言ってくれる。

私も同じ気持ちだ

うぉーいい話読んじゃった!

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