バリュー?グロース?--ウォーレン・バフェットがアマゾンは買えないけどアップルは大好きな!

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本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。

今日のポイント

年齢とともに変化してきた投資手法:バリュー(割安)重視からグロース(成長)重視へ

Appleが大好きなBuffettはAmazonに投資することができなかった

日本株投資でも心にとどめておいていただきたいBuffettの言葉

TOPIXコア30にバリューで注目できる銘柄多い

小型株にも「もしバフェ」候補はある

これら5点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

読者から「Buffettはグロースでしょ」とコメントをいただいた。これは以前書いたレポート「もしバフェ銘柄(もしBuffettが日本株のファンドマネージャーなら買うだろう銘柄)」で、筆者が大型バリュー(割安)株を挙げたことに対するコメントと思う。

Warren Buffett氏は、無名だった若年期にはハゲタカファンドばりのディープバリュー(激安)株投資で荒稼ぎしていたこともある。運用手法の根底にバリュー重視がある。今回はそこを重点的に解説する。

なお、筆者の「もしバフェ」レポートをお読みいただきたい方は、本レポート末尾の「おすすめのバックナンバー」からご覧いただきたい。

年齢とともに変化してきた投資手法:バリュー(割安)重視からグロース(成長)重視へ

米国株投資で高い実績を上げたBuffett氏は、「オマハの賢人」として世界中で知られている。彼の言葉を直接聞こうと米国中西部のオマハで行われる運用報告会には、世界中から何万人もの投資家が集まる。Buffett氏は、この運用報告会で次々と出てくる質問に一つひとつ丁寧に答え、その発言は世界中で報道される。

Buffett氏は日本でも有名で、彼の運用手法について書かれた「バフェット本」が書店にたくさん並んでいる。ただし、Buffett氏自身は自ら投資教育の本を書いたことはない。

彼が書き続けているのは、自ら運用している投資会社(Berkshire Hathaway)の株主(投資家)に当てた手紙だけだ。それを参考にBuffett氏の投資手法を研究した本がたくさん出版されているということである。

「Buffett氏の運用手法」と一言でいっても若年期と壮年期で異なる。若い頃はバリュー重視、年齢とともにグロースを重視するようになった。ただ、根底には常にバリューを考えながら投資銘柄を選ぶ慎重さがある。運用で「勝つ」ことを考えつつも、常に「大負け」しないようにリスクをコントロールしてきたからだ。それがグロースを重視しつつ、バリューも見る運用手法につながっていったと思う。

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Appleが大好きなBuffettはAmazonに投資することができなかった

Buffett氏は「自分が理解できないものには投資しない」考えである。ハイテク株やIT株に積極的には投資せず、Coca-ColaやAmerican Expressのような、事業が分かりやすい安定成長株を重視して投資してきた。

従って、米国株の上昇を牽引してきたGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)などのIT株では、Apple以外には積極的に投資してこなかった。Amazonは高成長期待からいつでも株価収益率(PER)などの株価バリュエーションで高く評価されていたので、Buffett氏の投資意欲をかきたてなかった。「なぜAmazonを買わなかったのか」という投資家の質問に、彼は「自分は間違っていた」と素直に認めている。

そのBuffett氏が大好きなのが、携帯電話などIT機器大手のAppleだ。安定成長が続いている割にPERなどの株価バリュエーションで割安に評価されていたからである。

Appleはこれまでの成長を牽引してきたハード(iPhone)の成長余地が小さくなってきたことから、最近はPERで10倍台の低い評価に甘んじている。ただ、Buffett氏はAppleがハードではなく、音楽配信や決済などのサービス事業で成長し始めていることに注目している。

Buffett氏がApple好きなのは、「高成長は見込めなくても、安定成長を期待するPERの低い株だから」と考えられる。つまり、成長を見ながらバリューも見る手法にぴったり合っているわけだ。

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日本株投資でも心にとどめておいていただきたいBuffettの言葉

Buffett氏の若い頃の言葉を紹介する著作『Warren Buffett’s Ground Rules(ウォーレン・バフェットのグラウンド・ルール)』(Jeremy C. Miller著)を原書で読んだ。筆者が25年のファンドマネージャー時代にやってきたバリュー運用に通じる極意が、若きBuffettによって熱く語られており感動した。

筆者が強く共感した言葉を2つ紹介する(日本語訳は筆者)。

「企業の本源的価値が分かっていれば、それを生かして有利にトレードできる。株価が本源的価値と比較して、ばかばかしいほど安い水準まで売られたときに買うことで、利益が得られる」

「最近、新時代の投資哲学を語る人が増えた。その哲学によると、木々が空まで伸びるように上昇し続ける株が出るという。そんな哲学に乗って割高株を高値づかみするくらいなら、過度に保守的といわれてペナルティを科せられた方がましだ」

ファンドマネージャー時代にバリューを重視して運用してきた筆者は「そうだ、そうだ」と納得した。ところで今の日本株で本源的価値を割り込んでいる株はあるだろうか? たくさんあると思っている。

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TOPIXコア30にバリューで注目できる銘柄多い

筆者は今の日本株でいうと、TOPIX(東証株価指数)コア30など時価総額が大きい銘柄にバリュー(割安)株が多いと思っている。コア30とは東証1部上場の時価総額上位30銘柄を中心に構成される指数だ。まさに日本を代表する巨大企業の集まりである。それが割安とはどういうことだろう?

日本株は2018年末、外国人投資家の売りで急落した。外国人は大型株を中心に日本株の下値を叩くように売ってきた。その結果、今、大型株にPERや予想配当利回りで見て、割安な銘柄が多くなっている。筆者はもう運用の最前線からは退いたが、ファンドマネージャーをやっていれば、TOPIXコア30の組入比率を高めたくなる局面だと思う。

小型株にも「もしバフェ」候補はある

筆者が考える「もしバフェ銘柄」は小型株にもある。ただし、巨額資金を動かし、グロースも重視するようになった今のBuffett氏は見向きもしないかもしれない銘柄である。今のBuffettではなく、若い頃のBuffett氏が食指を伸ばすだろうと考える銘柄だ。

それについて、1月29日のレポート「ハゲタカがいれば狙われそうな株」に書いている。具体的な銘柄については、以下「おすすめのバックナンバー」をご参照いただきたい。

もっと読む--おすすめのバックナンバー

ハゲタカがいれば狙われそうな「含み資産株」--不動産・倉庫株に多い(2019年1月29日)

日本株から「もしバフェ銘柄」を探す(2018年5月10日)

過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

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