イーロン・マスクのロケットで大丈夫なのか?
「かつてロック・スターだった日本のオンライン・ファッション界を率いる億万長者が、月への観光客として名を馳せようとしている」――CNNやABC、CBSニュースをはじめとする米大手メディアは現地時間9月18日、こぞってこのニュースをトップ扱いで報じた。
スタートトゥデイ社の前澤友作氏が搭乗するのは、イーロン・マスク氏が率いるスペースX社が開発中の大型ロケット「BFR」。マスク氏は宇宙開発だけでなく、電気自動車メーカー、テスラ社の代表も務めるが、「お騒がせセレブリティ」としても名高い。今月7日にはポッドキャスト番組に出演中に大麻とみられる葉巻を吸ったことで、株価が10%も急落したばかりだ。その番組が収録されたカリフォルニア州では大麻は合法だが、マスク氏への非難の声はまだ止まらない。
また、スペースX社が今年2月に初めて打ち上げたロケットに、テスラ社の赤いオープンカーを積んで批判を浴びたことも記憶にあたらしい。ちなみに、ロケットに乗せた車には、宇宙人を驚かせるという目的でマネキン人形を搭載した徹底ぶりも話題になった。その映像はこちら。
そんなお騒がせなマスク氏が提供する月旅行だけに、なかには「月への旅にはロマンがあるが、マスク氏が作るロケットで安全を約束できるのか?」と心配する声も出ている。
米メディア、ネット、街ともに「MAEZAWAフィーバー」
この発表を受けて、BizSeedsの編集部が所在地のシアトルで取材を決行した。そこで集まったアメリカ人たちの声を紹介しよう。
「マスクとMAEZAWA、同じ匂いがするわね」
(シアトル市役所勤務、女性40歳)
「僕も月に行ってみたい。MAEZAWAが無料招待してくれる芸術家枠で選ばれるといいな」
(舞台関係者、男性35歳)
「この人、自社株を上げるための宣伝が目的でしょう?」
(証券会社勤務、女性42歳)
「MAEZAWAは独身よね? キュート! 彼を紹介して欲しい!」
(動物愛護団体職員、女性28歳)
「MAEZAWAは命知らずの現代の侍。“ロケットの打ち上げが失敗して死ぬかもしれない確率”をスペースX社は10%と見積もっているが、たぶんもっと高いはず。名誉に死して名を遺すことは、今でも日本人の美学なのかもしれない」
(公立高校教員、男性55歳)
「MAEZAWAは、この報道が世界中で流れることを見通し、その価値に対して何十億ドル支払らっても良いと判断したのだろうから、彼の企業の株価が今後どう動くのかが楽しみだ」
(デイトレーダー、男性39歳)
「これは相当クールなニュース。アメリカには驚くほどの金持ちが大勢いるが、自分の席だけでなく、まだ見ぬ他人のための席も買い占める金持ちはなかなかいない」
(会社員、女性30歳)
「MAEZAWAは、大勢の人々へ夢を与えた。同じく大金持ちの男性でも、もし1人目の客が彼ではなく、トランプ大統領の息子だったら、まったく違うニュースになっていたはず」
(編集者、男性35歳)
———というように、アメリカでも前澤社長には相当な注目が集まっている。同氏が、この契約を実行した狙いの第一目的が「同社の宣伝」であるならば、それは大成功したと言えるだろう。