金融庁から2度目の業務改善命令を受けた国内大手仮想通貨取引所コインチェックが8日午後、都内で記者会見を開き、不正アクセス問題に対して経営陣が陳謝した。そのなかで、流出した仮想通貨NEM(NEM)の補償について、来週をメドに実施すると発表したほか、補償総額が463億円になることも明らかにした。
また、同社は金融庁に向けて、仮想通貨交換業者の登録を目指す業務継続の意向を示しており、事件を受けて現在停止している一部サービスについても、システム及び技術的な安全性などの確認が完了できた仮想通貨から来週以降順次再開する方針だという。
会見のなかで公表された今回の流出事件の原因調査によると、従業員の端末を社外の攻撃者がマルウェアに感染させ、不正アクセスによって仮想通貨の移動に必要な「外部鍵」が取得したことが主な要因として挙げられた。流出したNEM(XEM)は当時のレートで約580億円となり、保有者は約26万人にも上った。
2度目となる金融庁の指摘内容では、資金洗浄対策や企業統治(ガバナンス)などへの対応のほか、顧客への補償や停止中の仮想通貨の返還などを促し、抜本的な経営改革が求められた。今回の事件を受け、同社は足元の急速な業容拡大に対して、内部管理体制の構築が及ばなかったと述べており、新たにCISO(システムセキュリティ責任者)を任命するなど、サイバー攻撃を常時監視する体制を整えていることを明らかにした。
これまで同社は流出した仮想通貨について手元資金で補償するとしていたが、具体的な時期や内容などは不透明であった。そのなかで、利用者によって結成された被害者団体が、5日に出金停止巡って同社を提訴したことで、被害救済を求める同様の訴訟が広がることが懸念されていた。現在対応途中である抜本的な同社の経営改革の動向を引き続き注視する必要はあるものの、具体的な補償次期が明らかになったことで投資家の間に広がっていた不安がいったん後退する可能性が意識される。
また、足元の仮想通貨業界では、国内の仮想通貨業界の自主規制を目的として、交換業者16社による新たな自主規制団体の設立が行われるなど、規制に向けた積極的な取り組みもみられている。今後、仮想通貨に対する様々な規制が導入された場合は、通貨としての価値や地位が少しずつ認められている証拠としても捉えられるだろう。