そこでさ、さっき幽霊みたいなもんにあったんだ

Fukurou

当時、彼は大学生で、雪が少し降り積もるところに住んでいました。

そのころ、彼女と別れたり、祖父の遺産相続があったり、かなり精神的にまいっていました。

土日水と週三回ほどバイトに行っていたようで、その時もバイトが終わって夜遅くに帰っていたときのことです。

雪がチラホラふっていて、住宅街の道路には数cm積もっていました。

国道などは、消雪パイプがところどころあり、除雪機も出動するので、積もってはいないのですが、住宅街の小さな道はやや積もるのです。

電灯が雪道を照らします。

ぎゅっぎゅっと雪を踏みしめる音が響きます。ふと彼はアパートにパンがないことに気づきました。

彼はいつも朝食はご飯でしたが、2か月ほど前からパン食に買えていました。なぜなら、バイトが夜遅くなることが増えて、朝に早く起きてご飯を炊くのが大変になったということです。

その時はタイマーなどの便利な機能がないボロいものでしたから。

つい先日、彼にあったとき「就職して、ようやくタイマーつきのジャーを買えたよ~」などと喜んでいました。

で、彼は道を迂回して、コンビニに向かいました。

まだ雪はチラホラ降っているだけでした。「もし、ふぶいてたり大降りだったら行かなかったよ」と彼は言いました。

広い道に出れば雪は積もっていません。コンビニも大通りに面しており、スムーズにたどり着きました。

「よぉ!」コンビニでバイトしている友人にあいさつしました。

「お前、最近授業休みがちじゃね?バイトしすぎだろ?」と彼は言うと、バイトの彼は「そうなんだよなあ。でもバイトしないと授業料も稼げないんだ」

「それ本末転倒じゃねえか!店頭だけにアハハハハ」と彼は笑いましたが、「笑いごとじゃねぇんだよ・・・」と返されました。

「どうした?」と聞くと「ちょっと気になることがあるんだ・・・・あとで話を聞いてくれないか」と深刻そうな顔をして言われたそうです。

「ああ、また今度な」と店を出ました。

店を出ると雪がやや強く降り始めました。

ちょっと急いで帰ったほうがいいかな、と彼は思い、少し速足で歩き始めました。

ふと、前を見ると傘を差した中年のオッサンがこっちへ向かってきました。

「ずいぶん遅いのに…こんな時間になにやってるんだ?」と思いましたが、そのまま通り過ぎ、何事もありませんでした。

「やはり何事もなかったか・・・・・・」

安堵したと同時に何かしら違和感も感じたそうです。

ここはよく通る道なのに、さっきのオッサンは見たこともない、いや一度くらいは見たこともあるかもしれないが、覚えがない・・・と。

まぁ人口もそれなりに多いし、住宅街だから見たこともない人が歩いていてもおかしくはないのですが・・・。

そこで彼はふとあることに気づきました。

さっきのコンビニでホットのジュースを買うのを忘れていたのです。

しかし、この道の先に自動販売機があるのを知っていたのでそこで買おうと思ったそうです。

自動販売機につくと、自分のほしいジュースがないのです。何度見てもないのです。

でも、この先にもう一台あるので、そこで買おうと決心しました。

しばらく歩いていると、雪が次第に小ぶりになり、やがて止みました。

「あ~よかった・・・。あの降りが一晩続くとちょっと大変だったわ」と彼は安心しました。

安心して、アパートに戻ると、彼は自動販売機でジュースを買うのをすっかり忘れていたことに気づきました。

「やっべ!ああ~でもめんどくさいなあ」

そこで彼は先ほどのバイトの友人に「バイトが終わったら、ジュース買ってうちに来いよ。さっきの話の続きでもしないか」とメールしました。

少し経つとオッケーとの返事が。

しかし、待てども待てども友人は来ません。

ようやく朝4時ころになってとんとんとノックする音が聞こえました。

「遅いじゃねぇかよ」と寝ぼけ眼でむかえ出ると

「いや・・・バイト終わってから行くって行ったじゃねぇか」と友人は言います。

「まぁそっか」と納得し、家へあげると「そこでさ、さっき幽霊みたいなもんにあったんだ」と興奮していいます。

「ただの霧じゃね?」と言ったら「そうかもしれないけど、怖かったわ~」とびっくりしていたそうです。

私が聞いたとき、友人は「幽霊見たやつなんて知らなかったけど、そういうやつもいるんだな、まぁ幽霊じゃないと思うけど」と言っていました。

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