1.顔を水につける
頭に血が上ってカッとなったときには「頭を冷やしてこい」などというものですが、実際に顔を水につけることは怒りを静める効果があるとのこと。洗面台やバケツに冷たい水を張り、顔を浸すことで怒りの感情を抑えることができます。
これは、冷たい水の中に落ちたり呼吸ができなくなってしまったりした時に体が本能的に自分を保護しようとする潜水反応と呼ばれる反応に基づいたものです。緊急の事態に直面した時、人間の体は本能的に血管を収縮させ、心拍の回数を減らすことで体が消費するエネルギーを減らそうとします。この時、怒りのようなネガティブな感情も抑制される方向に働くとのこと。
とはいえ、職場の洗面所で「ジャー」と水を頭に流していると周りの人から心配されかねないので、そんな時は冷凍庫で冷やしておいたアイスパックを取り出して、おでこか目の周りを冷やすだけでもOKとのこと。また、潜水反応は呼吸を止めるだけでも生じるので、どこか別の部屋で一人になって少しの間息を止めてみるのも有効かもしれません。
◆2.体を冷やすことで文字どおり「冷静」になる
これは1.の方法に近いものですが、体の一部を冷やすことで感情を静めることも有効とのこと。もし給湯室の冷蔵庫に氷が入っている場合は、両手いっぱいの氷をすくいます。すると手が急激に冷やされたことで苦痛を感じますが、しばらくその状態のままキープ。我慢ができなくなった時に氷を捨てると冷たさから解放されて元の状態に戻りますが、この時に人間の気持ちは元に戻ったことを通り越し、それ以上の幸福感を得ることがあるとのこと。
これは「痛みで相殺される緩和 (Pain offset relief)」と心理学の分野で呼ばれるもので、実は苦しみから逃れようとするために自分の体を傷つける「自傷行為」の根底にもある仕組みです。自らに傷を付けることは避けるべきですが、手を氷で冷やす程度であればその時だけの苦痛で済むはずとのこと。
◆3.風船を膨らませるつもりで呼吸する
「職場で風船を膨らませるのか!?」と思ってしまいそうな方法ですが、実際にはその本質は「ゆっくりと大きく呼吸をする」というところにあります。人間の呼吸と心拍の間には一定のつながりがあって、呼吸が遅くなると心拍も遅くなるという現象が見られます。これは「呼吸性洞性不整脈」と呼ばれるもので、副交感神経機能に関連したものとのこと。
人間は感情が高ぶると心拍が速くなります。これを逆に、心拍を下げることで感情を静めようという方法です。事実、呼吸と心臓の鼓動がゆっくりなのに怒りまくっている人を見ることはありません。「カチン」と来たときは、椅子に座ったまま深呼吸を繰り返すだけで怒りの感情を静めることができるはずです。