私も田舎の出身で、
小さなコミュニティの中で
ノンビリとお馬鹿に育ってた。
その頃の話なんだが。
高校時代の夏休み、
部活から帰ってくると、
お客さんが来ていた。
60代くらいの上品そうな女性と、
40代くらいの大柄で
無口な男性だった。
母が、本家筋の
遠い親戚である親子だと紹介した。
「ははあ、お盆さんが近いから
何かそんな関係で来たのかな」と思った。
付き合いのない親戚のせいか、
母は硬い顔をしていた。
女性は
「部活だったの?」
「何をやってるの?」
と笑顔で聞いてきたので、
馬鹿の私は
「テニスをやってます。すっごく楽しいです。
去年は県大会で・・・」
とかベラベラ喋った。
女性が
「好きな人とかはいるの?」と訊くと、
もう恋バナは
女学生の人生の糧とばかりに、
もっとテンション上げてベラベラ喋った。
「県大会で会った、
○○高校の○○君は
すっごいテニス上手くて、
でも全然感じも良い人でー」とか。
「年上の男性はどう?好き?」と訊かれ、
「いやーー!!
2歳上まではありですけど、
それ以上はちょっとまだまだ!!
やっぱり人生経験値全然
違うじゃないですか!大学出たり、
社会人として働いてたり、
自活したりとか色々してる人とか
ってやっぱりもう私とは
考え違うはずですよね~
人として精神の成熟が全然違うじゃないですか!!
そんな人、
むこうも私になんて
考え合わせられないだろうし、
私ももう全然出来ないし!!
やっぱり歳の近い人と、
人生の色々な経験を一緒に積んで~
一緒に成長していくってのがいいかな~
って、あっ○○君のこと
言ってるんじゃないですよ!
彼はもう人気者なんで無理無理!!!
あっでも来週、合同練習で~」
とか話してたら、
向こうが
「じゃあそろそろ」なんて帰って行った。
玄関で2人を見送った後、
母親が急に私を抱いて被さってきて
「ごめんなさいごめんなさい」と言った。
なんとあの女性は
「私と息子を結婚させないか」
と来訪したんだと言う。
馬鹿げてるとやんわり断ったけど、
むこうは父の本家筋で
あんまり怒らせてしまうと
地元で立場が悪くなる
ため、「会わせるだけ」
と私に会わせてしまったという。
いつの間にか
見合いをしていたというのが、スレタイ。
「見た?あの白い顔ども。
基地外の白よ。
生きてる人間は
夏は私やあんたみたいに真っ黒になるのよ。
あんたも真っ黒な人と
結ばれて真っ黒になって暮らしなさい」
と母は私を抱きしめながらつぶやいた。
今の旦那は4歳年上だし、
デスクワーク仕事で真っ黒でもないけど、
おおよそ母の言う人だと思う。
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