薄暗い夕方に田舎道を走ってたら、
塀のすき間にうずくまってる自転車ヘルメットの小学校高学年男子を見かけた。
あれ? と路肩にバイクを寄せて様子を伺ったら泣きじゃくってるんだよね。
大きなバイクが脇に止まったからか、ちょっとおびえてる
話を聞くと自転車で家に帰る途中、側溝に轍をとられて転倒したらしい。
背中で隠すようにハンドルが曲がった自転車があった。
両手で押えてる膝の辺りからは血が滴ってる。
出血はそれほどでもないけどコンクリートの角で切った傷はけっこう深い感じ
おれ「膝だけか? 頭も背中も痛くない? でもさ救急車呼ぼうね」
男子「やだ! 」
おれ「お医者さんに見てもらわないとバイキン入るぞ」
周囲を見渡すとすぐそばに小さな開業医の看板あった
「あそこに病院ある、そこまで行こう」って背中におんぶして歩き始めた時、
男子「お…… お母さんにいわないよね?」
おれ「まずは涙は流してなかったって言うよ、そうだよな?」
開業医の表玄関は閉まってたので、裏に回ってみたら宮崎駿みたいな年配の医師が出てきた
簡単に事情を話すと「こんなのカスリ傷っ」
って言いながらも丁寧に傷の手当を始めた
おれ「治療代とか持ち合わせないんで、今からコンビニのATMで…」
医師「金儲けは表口でやるよ、自宅の裏から来られたら単にそこにいた爺さんだ、
遅くなるから君はもう帰っても大丈夫」
後は俺がやるという言葉を信じ「N産婦人科医院」を去ることにした
その後の事はわからない。元気なやんちゃ中学生になってるかもしれない